2021年12月10日金曜日

「今思うこと」4年 石井優輝

 

「今思うこと」

4年 石井優輝(昌平高校)


こんにちは。
今回部員ブログを担当させていただきます明治大学体育会サッカー部主将の石井優輝です。
今年2回目の部員ブログとなります。今思うことを率直に書きました。
お時間がある方は読んでくださると幸いです。


2月11日木曜日、全体ミーティングをした後全員で必勝祈願をして、楽しみすぎた大学サッカーラストシーズンがスタートした。こんなに苦しい1年になるなんてことはこの時はこれっぽっちも想像していなかった。

「この代は弱い」
そう言われてきたし、自分でもそんなことはわかっていた。それでも私は言葉を選ばずに言えば
「明治なんだからなんとかなる」
そう思っていた。
その理由は私が明治に入ってお世話になった先輩方が当たり前のように総理大臣杯優勝、五冠、リーグ優勝といった結果を残してきたからだ。
だから主将になってもあまり重圧は感じなかったし、特別気負うこともなかった。

しかし終わってみれば天皇杯は出場できず、総理大臣杯は出場どころか出場権も逃し、リーグ戦は首位を守り切ることができず3連覇を逃した。
チームで掲げた目標を何一つ成し遂げられていない。
個人的にもシーズンが進むにつれて4年生として、主将としての重圧を感じるようになっていった。それと同時にどうすれば勝てるようになるのか。そのために自分は何をするべきなのか。サッカー以外で言えば下級生がどうしたら仕事に対して意欲的に取り組んでくれるか。卒業後の進路はどうするか。様々な悩みが自分の中に生まれた。そして何より試合に出場できない時期が1番苦しい。立場がどうであれ勝利のために全力を尽くすのが明治である。それは4年間で痛いほど感じてきたことだ。それでもこれまでの主将は自らピッチに立ってチームを勝たせてきた。それさえもできない自分がとてももどかしかった。

何も変えることができないのが悔しくてとてもダサいがベッドで涙を流したこともあるし、会場からの帰りのバスで外を眺めるふりをして泣いたこともある。様々な要因が重なって次第に自分を失って、自分の良さがわからなくなり、サッカーがあまり楽しくない時期が続いた。サッカーよりも食堂でご飯を食べながら仲間達とたわいもない話をしていた方が楽しいと感じたこともあった。ここで自分の弱さを知ると同時に、先輩方の強さを感じた。それでも仲間達にそれを悟られないように自分に鞭を打って偽善を装う。それはそれで苦しかった。

だけどそんな感じで過ごしてきた2021年シーズンも後2週間で終わりを迎えようとしている。
「良くも悪くもお前の言動がチームに大きく影響する。お前はそういう立場にある」
これは栗田監督から言われてとても心に残っている言葉だ。だから私はこの2週間チームの勝利のためにサッカー人生をかけて戦いたい。そしてチームを勝たせる。そして12月25日に優勝をしてこの部を去りたいと思う。苦労してきた1年だったからこそ優勝した時の喜びは大きいし、比べ物にならいくらいの価値があると信じて。

最後に新型コロナウイルス感染症と今もなお戦い続けてくれている医療従事者の皆様、インカレが開催されるにあたりご尽力くださいました関係者の皆様。大学サッカー最後の大会がスタジアムでそして有観客で行われることは選手として最高に幸せです。本当にありがとうございます。
さらに選手に負けない熱量で朝早くから厳しく指導してくださいました栗田監督をはじめとするコーチングスタッフの皆様、私たちが入部し厳しく、とても厳しく指導してくださいました先輩方。ここまで大きく成長することができました。本当にありがとうございます。
入部してから嬉しいこと、楽しいこと、苦しいこと、悔しいこと全てを共に分かち合ってきた同期。私たち4年生を信じてこれまでついてきてくれた生意気な後輩達。本当にありがとう。
そして何よりも観に来た試合の後には誰よりも厳しいメッセージを送ってくれる父。いつも励ましのメッセージをくれる母。平日は仕事で夜遅くまで働いているのに、休日はわざわざ試合を観に来てくれる姉。SNSで常に結果を観ているであろう兄。家族の支えがなければここまで来れなかったと思っています。本当にありがとうございます。
その他、明治大学や私に関わる全ての皆様に感謝してもしきれません。この思いをピッチで表現したいと思います。

長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
私たち選手は魂を込めて戦います。皆様も共に戦いましょう。
ありがとうございました。
今後とも明治大学体育会サッカー部へのご声援よろしくお願い致します。


【過去のブログ】

「夢」1年 石井優輝

「兄の存在」2年 石井優輝

「”なぜ”を追求すること」3年 石井優輝

2021年12月3日金曜日

「『サッカー』というもの。」4年 小長井崚真


「『サッカー』というもの。」
商学部商学科 4年 小長井崚真(京華高等学校)


こんにちは。


今回、部員ブログを担当させて頂きます、商学部商学科4年の小長井崚真です。


まずはじめに、新型コロナウイルス感染症に対し、最前線で向き合っている医療従事者の皆様、そして関東大学サッカーリーグ戦をはじめ、大学サッカー各大会の開催や運営にご尽力頂いている全ての関係者の皆様に感謝申し上げます。


また、日頃より明治大学体育会サッカー部をご支援頂いているスポンサー各社の皆様、OBの皆様、関係者の皆様にお礼申し上げます。



今回で4回目、そして最後となる部員ブログです。何を書こうかと大変悩みましたが、自分の人生において「サッカー」がどんなものであったか、そして明治大学体育会サッカー部での経験について書いていこうと思います。少し文章が長くなると思いますが、最後まで読んで頂ければ幸いです。



「サッカー」

自分がサッカーを始めたのは、まだ幼く記憶もない頃。父がサッカーをしていたということもあり、物心ついた時にはボールを蹴っていた。


幼い頃の自分にとって「サッカー」は、コミュニケーションツールの一つだった。

父の仕事の関係で、3歳から8歳までアメリカで生活をした。言語はもちろんのこと、文化や習慣も違う状況下で生活した。3歳ということもあり日本での生活の記憶もほぼない中ではあったが、そんな自分でもさすがに環境が変わったことには気がつき、最初は戸惑うことしか出来なかった。


そんな環境の中、ある時から自分はすぐに地元のクラスメート達と仲良くなることが出来た。それがサッカーをした時だった。

以前ネイマール選手がサントスからバルセロナに移籍したときのコメントでこんなことを言っていた。


"向こう(欧州)のサッカーもここ(ブラジル)のと同じ。ボールだって丸いんだし。"


この言葉が表しているように、サッカーはどこでも同じものである。丸いボールさえあれば、相手とパス交換が出来て仲良くなれる。みんながゴールを目指して協力し、ゴールが決まればみんなで喜ぶ。言語が通じないなどは関係ない。だからこそ、自分はすぐに溶け込むことが出来た。


『サッカーというスポーツは世界共通。』

もちろん、国や文化によってはサッカーの歴史や文化、スタイルも違うが、根幹は同じである。私はこれを直に経験した。



そして日本に戻ってからも、小学校は地元のサッカー少年団で、中学・高校は部活動でサッカーを続けた。

その中で自分はサッカーの楽しさに触れ、勝つことの嬉しさ、負けることの悔しさを知り、努力することの大切さ、継続することの難しさ、組織をまとめることの大変さ、様々なことを経験した。このような経験を出来たのもサッカーをしていたからである。


そして、高校サッカー引退。


大学進学を目指し、明治大学への入学を決めた。そこで一つの選択肢が目の前にあった。それは体育会サッカー部に挑戦すること。そして、その部は名実ともに大学サッカー界のトップである明治大学体育会サッカー部だった。



自分自身、覚悟を持って練習参加に臨んだが、そんな覚悟はすぐに打ち砕かれる厳しい環境であった。

練習の強度、質、選手の意識、声の掛け方、取り組む姿勢、何もかもが自分の経験したことのないレベルだと感じた。その中で自分も練習生として参加するわけだが、当然通用するはずもなく、最初の4ヶ月は周りで自主練をする日々。正直、諦めようかと思うことも多々あった。


もちろん"ここでサッカーをしたい"という自分自身の強い想いもあった。だが、続けられたのにはそれ以外に二つの理由があった。


一つ目は高校の監督、小金丸先生の存在。

先生も大学サッカーの経験者であり、よく自分たちにその時の話をしてくれた。そして、自分が明治大学への進学が決まった時に、サッカー部への挑戦を後押ししてくれたのも先生だった。

大学サッカーで学べること、経験できること、そして続けたことで何を得たか。たくさんのことを教えてくださり、自分を支えてくれた。

自己都合だけでは到底諦められない、先生の顔に泥は塗れない。この想いが自分の中にあり、頑張り続けることが出来た。そして練習生期間を経て入部を果たし、この4年間の経験を得ることが出来た。だからこそ、今でもその決断を後押ししてくれた小金丸先生には感謝の気持ちしかない。


二つ目は同期の存在。

一般生一人という状況の中で、なかなか部に馴染むことが出来ていなかったと思う。その中で積極的に声をかけてくれ、自分の良い部分を見つけ褒めてくれたり、時には食事にも誘ってくれた。もう諦めようかなと思っている時に限って、岡庭や越智が声をかけてきて話を聞いてくれた。その時は「タイミング良すぎだろ!」と思っていたが、今思えばあの時話を聞いてくれて引き留めてくれたからこそ、今の自分があるのだと思う。



そんな自分も4年目を迎え、いよいよこの部から引退する時が近づいてきた。この4年間、本当に濃密な時間を過ごし、多くのことを学んできた。もちろんサッカーの面では、今までにないレベルの中で、苦しいことや悔しいと思うことのほうが断然に多かったが、毎日が気付きや学びの連続でサッカーの奥深さや難しさ、そして楽しさを改めて感じた。


そして、この組織に入って最も学ぶことが出来たのは、

「組織の一員としてのあるべき姿、そして人としてあるべき姿」

だと自分自身は思っている。


試合に出ていない先輩たちの振る舞い方、チームを第一に考えて行動する姿勢。高校の時はどの選手もチームの中心でやってきた選手たち。その選手たちが試合に出れない悔しさを抱えながら、それでもチームのためにそれぞれの立場で全力を尽くす。この伝統こそが明治という組織の基盤を築き上げているのだと感じた。



「明治大学サッカー部はプロ養成場ではなく、人間形成の場である。」


栗田監督は日頃のミーティングでこの言葉を仰っている。

きっとこの言葉を外部の人が聞いたら、あれだけプロ選手を輩出しているのだからそんなこともないだろうと思うかもしれない。

だが、この組織の中にいれば絶対に分かる。人間性がしっかりしていない人、裏表のある人、他人や外部などの環境のせいにする人は、どんなにサッカーが上手くても、それだけでは明治ではスタメンを取れないだろう。だからみんな日々サッカーだけでなく、私生活でも気を緩めずに学ぶ姿勢を持ち続ける。その姿勢が些細な変化を生み、やがてその小さな変化が大きなものとなって、最終的に自然体となり、サッカーの面でも人間性の部分でも成長させてくれる。このサイクルを肌身で体感出来たからこそ、自分自身も日々の小さなものに目を向けて、それに全力で取り組むことで成長することが出来た。


それでもまだ足りていない部分も多いだろう。でもそれは言い換えれば伸び代がまだあるということ。だからこそ残された短い期間の中でも、より成長出来るように日々全力で取り組んでいきたいと思う。そして、少しでも後輩たちに明治がどういう組織か、その中で自分が何をしてきたかを残していかなければならないと思っている。




また、自分は昨年の12月から約9ヶ月間、三半規管による体調不良でチームを離れていた。もちろん、自分自身の気持ちはすごく浮き沈みした。これまで一緒に練習をしていたみんながリーグ戦で戦っている姿を画面を通して見る日々。最終学年であるのに、チームの活動に帯同出来ない虚しさと悔しさ。大好きなサッカーを出来ないもどかしさ。様々な想いが自分の中にあった。そしてその期間中、本当にたくさんの心配と迷惑をスタッフの方々や同期、後輩たちにかけてしまった。

それでも温かく迎え入れてくれた栗田監督をはじめとするスタッフの方々、そしてチームでの居場所を空けて待ってくれていた同期、何事もなかったかのように接してくれた後輩たちには感謝してもしきれない。

だから自分は全身全霊をかけて、このチームのために身を粉にして闘わなければならないし闘っていこうと思う。



この文章を書いていて、心の中で想うことが多くあった。それは今まで自分を指導してくれた方や支えてくれた方への感謝の気持ちや、これまで所属してきたチームや部活、仲間に対する愛着なのだと思う。

こんな気持ちを自分の中に与えてくれた「サッカー」というものは本当に素晴らしいものだと思う。



最初の文章で、自分にとって「サッカー」がどんなものであったかについて書こうと思う…と述べた。


その答え。


自分にとって「サッカー」は、これから生きていく上で必要なあらゆるものを与えてくれた。そして、自分の人生においてかけがえのないもの…それは大切な仲間や成長する環境、喜怒哀楽の感情を与えてくれるものであった。



本当に長い文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いよいよインカレも開幕します。自分達の学年にとっては最後の大会です。

11月13日、果たせなかったリーグ戦優勝。悔しい想いがありながらも、みんな前を向いてここまでやってきました。必ず優勝して、笑顔で今シーズンを終えられるように、一戦一戦を噛み締めながら戦っていきます。

今後とも明治大学体育会サッカー部へのご支援、ご声援のほど、宜しくお願い致します!



次回は今年ラストの部員ブログ、石井主将が務めます。1年間このチームを引っ張ってきた大黒柱。責任感が強くとても頼りになる同期です。サッカー中は怒ってることが多いですが、プライベートでは優しい存在です。今年を締め括る熱く、素晴らしいブログを書いてくれると思います!ぜひインカレ前に彼の熱い言葉、気持ちを受け取ってください!お楽しみに!!


【過去のブログ】

「一人一人が持つ責任の大きさ」1年 小長井崚真

「壁の厚さを決めるのは自分」2年 小長井崚真

「内と外。」3年 小長井崚真

2021年12月2日木曜日

「見えないもの」 4年 後藤大輔


 

「見えないもの」

商学部商学科 4 後藤大輔(愛知県立千種高校)



こんにちは。

今回部員ブログを担当させて頂きます、商学部商学科4年マネージャー兼学連の後藤大輔です。




突然ですが、皆さんはこのCMを見たことがありますでしょうか。昨年の大塚製薬株式会社さんの受験応援シリーズのCMです。

お時間ある時にぜひ一度覗いてみてください。



「見えないものと闘った1年だ。見えないものに支えられた1年だと思う。」



コロナ禍を闘う人々を表すこのメッセージに、私ははっとさせられました。

昨年からリモートで大会準備を進めるため部屋に籠る日々が続く中、できなくなったこと、失ったものばかりに目が行ってしまっていましたが、改めて自分を支えてくれているものを再確認することができました。


このような厳しい社会情勢の中大会を支えてくださる協賛各社、

他大学の試合にも会場を提供してくださる流通経済大学さん、国士舘大学さん、

こんな幹事長でも必死に付いてきてくれる学連の同期や後輩、

毎日ミーティングの合間にご飯を用意してくれる両親、、

そしてなにより、

『毎日死に物狂いで闘っている明治の仲間たち』


毎日死に物狂いで闘っている明治の仲間たち苦しい時は八幡山で闘う仲間を思い出し「あいつらはもっと頑張ってるから」と前へ進み続けることができました。

マネージャー、学連と支える側である自分は支えられてばかりいることに気が付きました。

この場をお借りして、後藤大輔を支えてくださる方々に感謝を伝えたいです。



この明治大学体育会サッカー部、関東大学サッカー連盟での4年間は、見えないもの(自分)との闘いでした。

明治大学体育会サッカー部に対して、本当に自分は貢献できているのか。そう問い続けながら4年間を過ごしてきました。

グラウンドに行けず直接選手に働きかけられる時間も少ない中、「置かれた立場で妥協せずに自分と闘い続ける事」それが後藤大輔のやるべき事だと信じて活動してきました。




1週間後、ついに大学サッカー最後の大会が始まります。

23試合全ての試合を有観客試合で行える事に感謝の気持ちを持ち、素晴らしい大会にできるよう尽力します。

ぜひ会場に足を運び、「明治」を観に来てください。




最後に、選手のみんなへ

6時から夢を追いかけるみんなの姿が自分の原動力です。

最高の景色を見せてくれて、頑張る理由をくれてありがとう。


2021年度最後の大会は、ピッチで闘う選手はもちろん、ピッチ外で闘う選手も含めて全員で「明治」を体現しよう。


1225NACK5スタジアムで、全員で校歌を歌って、絶対栗田監督を胴上げしよう。




最後まで読んで頂きありがとうございました。

今後とも、明治大学体育会サッカー部をよろしくお願い致します。


次回の4年生のブログ担当は、小長井崚真です。

体調不良を乗り越え、部の為に毎日闘う姿は明治の象徴です。学連として共に活動していますが、小長井に助けられる事は何度もありました。

壁を乗り越え続けた彼の文章は自分もとても楽しみです。是非御覧ください。


【過去のブログ】


「チームの為に」1年 後藤大輔


「『外から見る』明治大学体育会サッカー部」

2年 後藤大輔


「自分にできること」3年 後藤大輔